映画「その街のこども」特別上映会

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映画「その街のこども」特別上映会

日時 : 2013年1月20日(日)14:00~16:00


実際に震災を体験したふたりの演技が心を揺さぶる感動作
テレビ放送後に寄せられた膨大なメッセージの力で異例の劇場公開

阪神・淡路大震災からちょうど15年目にあたる2010年1月17日、NHKで放送されたドラマ「その街のこども」は、実際に震災を体験している森山未來と佐藤江梨子の切なくリアルな演技に加え、心の傷を抱えたまま生きる若者たちを優しい眼差しで描いた渡辺あや(『ジョゼと虎と魚たち』)の脚本が大きな話題を呼び、放送後には視聴者から感動と絶賛の声が多数寄せられた。その後本作は第36回放送文化基金賞を受賞。さらに反響は拡がり続け、遂に『その街のこども
劇場版』として、NHKの制作したドラマとしては前代未聞の全国公開が決定。放送時にはカットせざるを得なかった未公開シーンを含む、再編集バージョンでの上映が実現した。

ドラマやドキュメンタリーの枠を超えた“新しい表現” 作品に込められたスタッフの想い

10年という節目の年を過ぎ、メディアが震災の何をどう伝えていくべきなのか悩んでいた2008年。「ただ悲しみを伝えるだけではなく、神戸という街の想いに寄り添ったドラマを作って欲しい」という、遺族でもある当時のNHK放送部長のかけ声により「その街のこども」は歩みはじめた。脚本は神戸で学生時代を過ごした渡辺あや。監督はドラマ「クライマーズ・ハイ」、「ハゲタカ」などの演出で知られる井上剛。そして『ウルトラミラクルラブストーリー』の大友良英がシンガーソングライター・阿部芙蓉美とタッグを組み、深く心に残るエンディングテーマ曲を作り上げている。忘れたい、忘れられない、忘れて欲しくない…。神戸にあふれるそんな複雑な想いと、既存のドラマやドキュメンタリーの枠を超えた“新しい表現”を形にするため、一流のスタッフがここに集結した。

「その街」で生まれ育ったこどもたちが 新たな一歩を踏み出すために

こどもの頃に体験した震災というものに、いま改めて向き合おうとするふたりの若者に寄り添いながら、物語は進んでゆく。ロケ地の多くは実際に大きな被害を受けた地域であり、撮影には遺族を含め神戸の方々も参加した。一方、非被災者である多くのスタッフたちが、この作品を生み出す過程で悩み、苦しんだのも事実。様々な傷を抱えた被災者と、非被災者の間に存在する「溝」を見つめ、それを乗り越えることの難しさと大切さを伝える『その街のこども
劇場版』は、今を生きるすべての「こどもたち」が決して忘れてはならない未来への希望を描いている。

STORY

1995年1月17日午前5時46分、「街」は一瞬で破壊され、ぼくたちは生き残った。

こどもの頃に震災を体験し、いまは東京で暮らす勇治(森山未來)と美夏(佐藤江梨子)。彼らは「追悼のつどい」が行われる前日に神戸で偶然知り合い、震災15年目の朝を迎えるまでの時間を共に過ごすことになる。震災が残した心の傷に向き合うため、今年こそ「追悼のつどい」に参加すると心に決めていた美夏に対し、出張の途中に“なんとなく”神戸に降り立っただけだと言い張る勇治。全く異なる震災体験をしたふたりの間には、大きな溝が広がっているように見えた。しかし、“ある場所”に差し掛かったとき、美夏は勇治が長年抱え込んできた過去を垣間見ることになる。復興を遂げた真夜中の神戸の街を背に、これまで語ることのできなかったふたりの想いが、不器用にあふれ出そうとしていた。

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